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多摩川な人たち 10月19日篇



今日は台風一過の晴天とはいかないものの曇り空に時々青空が
のぞくそんな日となった。

ここのところ雨ばかりで建物の中に閉じ込められる日々。

子供のころから外で遊ぶのが大好きだったせいか毎日何かすっき
りしない気分で過してきた。もうほとんど欝状態だ。

だから今日はどうしても多摩川である。

きっとそう思った人も多かったのか、そういうことでは無くなのか
それはさておき今日も素敵な出会いがあった。

例のごとく道路傍でドスン、バタンとやっていると土手の向こう
から犬連れの老人がのんびりと歩いてくるのが見えた。

近づいてくるにしたがって彼は何やら興味深そうに、というより
何か話したげにこちらを見ている。

そんな時は決まってこちらから「こんにちは」と声をかけること
にしている。

いつものように「こんにちは」と言ったら何やら彼もこちらに向か
って話しかけているようだ。

耳栓を片方外して「はい?」と
いやいやまだ聞こえない。

もう片方を外して「ほい?」。
それでもだめ。

もうしょうがない椅子から立ち上がって土手の方に。それでもよく
分からないから彼の方に土手をゆっくり登っていった。

彼はどうやら好きなことをやっていることは大変結構とほめてくれ
ているようだ。「そりゃどうも」とかえしてみる。

人生はゆっくりと泰然と生きれば良いと今度はきたものだ。なんだ
か心を見透かされているようで「いやそうですね」ととりあえず言っ
てみる。

若いことは良いねという彼にそうでもないんだけどと心で呟きなが
ら「おいくつですか?」と聞こうとしようとすると齢83なんだよ僕は
と先を越されてしまった。

「いやいやお元気そうで良いですね」犬まで近くにやってきて僕の
手をペロペロ。いや大きな犬なのでベロベロのよだれ付でやって
きた。

その老人いわく「人生色々あるさ君。楽しいことばかりじゃない
つらいこと、悲しいこと、やるせないことだってあるんだ」。
もうおっしゃる通り。

「でもどんな時でも楽しみを見つけて過ごせば良いんだよ」と。
「わしもいろんな時を過ごしてきたよ」。

長く伸びた白髪を後ろにしばったこの老人もしやミュージシャン?
早合点した僕は「どんなことをされてきたんですか?」と思わず
聞いてしまった。

「いや建築家だよ」。
ふーん。そうか。

「若いころは戦争に、それも空軍志願さ」。
「でもねぇ君、身体検査ではねられて飛行機には乗れずじまい」
結果生き残ったというから皮肉なもの。

北はカムチャッカから南は東南アジアまで・・・と話は続く。

それから話は色々な方面に展開していったのだが屈託なくはなす
彼のそばにいて僕はちっとも退屈しなかった。

きっと彼から「泰然」オーラのようなものがでていたのかもしれない。

ちっとも若くは無い僕にこの歳になるまでにはまだ随分とあるんだ
からゆっくりと人生を歩いていきなさいと素敵な置き土産を残して
彼はその場所を後にした。

やはり今日は台風一過の晴天だったのかもしれないそんな気持ち
にちょっぴりなったそんな日だった。

| Copyright 2005,10,19, Wednesday 12:37pm MichioKawano | comments (0) | trackback (x) |

 

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