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多摩川な人たち 素敵なおじさん

かれこれ数年前になるのだろうか・・・
その笑顔の素敵なおじさんに出会ったのは。

土手沿いに行きかう人たち。みんなそれぞれの目的があるのだと思う。
それは自分自身とて同じことではあるが。

そのおじさんはいつもかなりくたびれた感じのママチャリで通り抜けていく。
時に笑顔を投げかけ、たまには無視しつつ。

でも気がむくとべダルをこいでいる足を止めてこちらに話しかけてくる。

数メートル上にある土手、しかも距離にして5メートル以上はなれていればただで
さえ音は聞こえにくいもの。さらにはこちらは大きな音を出してその上耳栓までし
ているのだから何を言っているのかさっぱりである。

それでも懲りずに話しかけてくるのでやむなくスティックを置き耳栓を外し彼の話
を聞く体制に入るわけである。

まぁ少しブレークするかっ・・・てなことである。

雑草の生えている土手を少し登って彼のところにゆっくりと歩いていくとニコニコと
笑顔で迎えてくれる。

彼と話し始めたころはまだその人となりが分からなかったのでひとまず彼の話を
聞くことにしていたのだが、やがてこちらは聞き役あちらは話す人ということにな
ってしまった。

思うに実際にはそういうことではなかったはずなのだが。こちらが何を話しかけて
みたところで彼は自分の話したいことだけをひたすら喋るのだから結果そういうこ
とになってしまったのである。

でも世間話というのはそれでも良いと思う。
一緒にいて話をして楽しければまずは良いのである。

明るい日差しの中で彼の話を聞くのはなかなか楽しかった。

昔は大きな船に乗ってデッカイ商売をしていたとか、何億という額のお金を動かし
ていたとかそんな話だったと思う。

僕にとっては話の内容は多分どうでも良かったように思う。彼の日焼けなのか酒
焼けなのか分からない赤ら顔を前にしてなんだか幸せになれたのである。

世間的には落ちぶれてしまったのかも知れないが(彼の話を真に受ければ)ちっと
も悲しそうには見えない。それは多摩川の青テント組にはない表情だと思う。

僕にとって彼は素敵なおじさんに見えた。

悲しみはどこから来るのだろう、そして幸せとは何なんだろう。
ふとそう思った。

何かに一生懸命なのは素敵なことと思う。目標を持って生きることもやはり素敵な
ことなのだろう。でもその過程で我々は、いや僕はどうも時々忘れ物をしてしまうよ
うだ。

それはその忘れ物を拾えたその瞬間だったのかもしれない。


| Copyright 2005,06,08, Wednesday 07:21pm MichioKawano | comments (1) | trackback (0) |

コメント

A lovely writing! It captures the moments with a stranger with whom you find a little connection. It is sensitive and delicate. Bravo!

| Sako | EMAIL | URL | 2005/06/10 06:43 PM | GmGXpI.U |

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